「マレーシアの大学留学に興味があるけど、どれくらいのレベルかわからない。」「どうしたらマレーシアの大学に入学できるのだろう?入試などあるのかな。」
そうお思いの方も多いでしょう。
マレーシアの大学は近年、日本人の方だけでなく、世界的に人気の留学先です。人気の理由には、マレーシアの大学のレベルの高さ、様々なメリットがあるためです。
当記事では、マレーシアの大学に留学するメリットをお伝えした上で、どのようなプログラムが用意されているのか、どうしたら入学できるのかを解説します。
読んでいただければ、マレーシアの大学留学に関する解像度が上がり、具体的に何をすればいいのかがわかるようになるでしょう。
それではまず、マレーシアの大学留学がおすすめな理由を見ていきましょう。
マレーシア大学留学がおすすめな理由
マレーシアは、留学先として多くの学生から注目されている国。その理由はマレーシア大学留学に大きく3つのメリットがあるからです。
ここでは、3つのメリットを紹介します。
世界レベルのマレーシア大学|ランキングで高順位
マレーシアの大学は、国際的な評価が高いことがメリットの1つ目。そのため、世界中から多くの留学生が集まります。
世界大学ランキングには著名なものがいくつかありますが、その1つのQS世界大学ランキング。下記がマレーシアの大学(海外大学分校含む)の2024年度QS世界大学ランキングです。
大学名 | 順位 |
---|---|
モナシュ | 42 |
マラヤ | 65 |
サウサンプトン | 81 |
ノッティンガム | 100 |
ランカスター | 122 |
プトラマレーシア | 158 |
レディング | 169 |
ヘリオットワット | 235 |
テイラーズ | 284 |
UCSI | 300 |
中国厦門 | 392 |
サンウェイ | 586 |
MSU | 621 |
トップはオーストラリアに本校を持つモナシュ大学で世界42位。2位はマレーシア最古の大学であるマラヤ大学(University of Malaya / Universiti Malaya)で世界65位。
他にも、世界200位の中に7校ランクインするなど、マレーシアの大学は世界的にレベルが高いのが特徴です。
参考までに下記が日本の主要大学のランキングです。
大学名 | 順位 |
---|---|
東京大学 | 28 |
京都大学 | 46 |
大阪大学 | 80 |
東京工科大学 | 91 |
早稲田大学 | 199 |
慶應大学 | 214 |
神戸大学 | 476 |
一橋大学 | 481 |
SETARAによる格付け
マレーシア高等教育省による「SETARA」という大学評価基準があり、それぞれの大学の教育内容や環境の指標になります。
SETARAは2年毎に実施され、各大学を下記の6レベルに格付けしたものです。
- TIER 6(OUTSTANDING)
- TIER 5(EXCELLENT)
- TIER 4(VERY GOOD)
- TIER 3(GOOD)
- TIER 2(SATISFACTORY)
- TIER 1(WEEK)
SETARAでTIER5以上の大学は以下の通りとなります。
- インターナショナル・メディカル・ユニバーシティ(IMU )
- モナシュ大学
- マレーシア国民大学
- マラヤ大学
- マレーシアプトラ大学
- マレーシア科学大学
- マレーシア工科大学
- ペトロナス工科大学
- カーティン大学サラワクマレーシア
- スウィンバーン工科大学サラワクキャンパス
- ノッティンガム大学マレーシアキャンパス
- マレーシア国際イスラム大学
- マレーシアペルリス大学
- マレーシアサラワク大学
- マラ工科大学
- テナガナショナル大学
- 国立ウタラマレーシア大学
- アジア太平洋テクノロジー & イノベーション大学 ( APU )
- INCEIF (イスラム金融教育国際センター)
- マネジメント&サイエンス大学
- サンウェイ大学
- UCSI大学
- テイラーズ大学
- マレーシアパハン大学
- マレーシアトレンガヌ大学
- マレーシア国家防衛大学
- トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(UTAR)
- サイバージャヤ大学(UoC)
- リンカーンユニバーシティカレッジ(LUC)
参照:https://www.moe.gov.my/en/pemberitahuan/announcement/setara-2017
SETARAを見てみると、モナシュ大学やマラヤ大学がTIER6に入っていたり、テイラーズ大学がTIER5に入っているなど、QS世界大学ランキングと世界的にもマレーシア国内でも評価が高い大学であることがわかります。
SETARAの格付けも参考にして、マレーシアの大学は選ぶと良いでしょう。
留学費用が安い
上記のように、マレーシアは、質の高い教育を受けることができる一方で、留学費用が比較的リーズナブルである点もメリットの1つです。他の英語圏の国々と比較して、学費や生活費が半分から三分の一程度と安く抑えられるので、経済的な負担を軽減することができます。
マレーシア留学の費用に関して解説した記事はこちらをご覧ください。
多様性の中でグローバル感覚を養える
マレーシアの大学は、異文化交流の場として非常に魅力的です。世界中から留学生が集まり、多様な文化や価値観が共存する環境が広がっているマレーシアでは、これまでになかった新しい視点や、異なる背景を持つ人々とのコミュニケーションスキルを向上させる大きなチャンスです。
また、マレーシアはアジアの中でも経済発展が進んでいる国でもあります。
留学中に現地のビジネス環境や産業に触れることができれば、将来的に国際ビジネスの場で活躍する手助けにもなるでしょう。留学生活を通じて得られる多様性に富んだ経験は、就職活動にもプラスとなり、自身の市場価値を向上させることが期待できるのです。
大学の種類
大学と一口に言っても、日本にも大学、専門学校、短期大学などがあるように、マレーシアにも独自の種類があります。区分を知っておくと、自分に適した大学はどれか選びやすくなるので、押さえておきましょう。
大学(University)
まずはいわゆる大学です。
マレーシアには、上述のように国内外から評価が高い大学が数多く存在しており、これらの大学には、高い教育水準と研究開発における実績から、世界中から留学生が集まっています。
また、英語を教育言語として使用する大学が多いため、英語力と専門性を一気に身につけることが可能です。
ユニバーシティカレッジ(University College)
University Collegeは、CollegeからUniversityになる過渡期にある大学のことを指します。
Universityとは学生数や教員数、施設の違いこそはあれど、UniversityかUniversity Collegeかは大学選びに関して気にするほどのことではありません。
カレッジ(College)
Collegeは、基本的な職業教育を提供する場所です。特定の分野での基礎的なスキルや知識を身につけることができ、即戦力として働けるようになることが期待されます。短期間で学びたい、という方には特に適している教育機関です。
各教育機関の特徴を理解し、自身の目標や学びたい分野に合わせて選ぶことが重要。マレーシアの教育機関は多様であり、自分に合った場所で学び、スキルアップすることができるでしょう。
入学条件や入学時期に関して
入学条件・合格基準は?
マレーシアの大学に入学するための条件や基準は大学や学部によって異なりますが、一般的には英語力の証明が求められます。
IELTSやTOEFLなどの英語資格試験スコアが必要とされる場合が多いです。また、特定の学部によっては、関連する科目の成績や資格も求められることがあります。
マレーシア留学に必要な英語力に関してはこちらの記事で解説しています。
入学の時期は年に数回ある
マレーシアの大学は、年に数回、入学時期が設けられている場合があります。これにより、自身のスケジュールや準備状況に合わせて、柔軟に入学計画を立てることができます。しかし、人気のある大学や学部では競争が激しいため、早めの準備と申し込みが必要です。
取得できる学位と多様な進学ルートに関して
続いては、マレーシアの留学で取得できる学位とマレーシアではどのような進学ルートがあるかを紹介します。
取得できる学位と進学ルートを知っておくと、どの留学が自分に合っているか、また何をすればいいかがわかりますので、ぜひチェックしてみてください。
学士号|Bachelor’s Degree
学士号は大学を卒業するともらえる学位。「大卒」として認定される学位とも言えます。
マレーシアでは、通常3年で学位が取得できますが、エンジニアリングは4年、医学は5年と学問によって取得年数が異なることも知っておくと良いでしょう。
日本の高校を卒業すると、基本的には学士号を取得できるコースに進学できます。
国際的に認知された質の高い教育が受けられるため、マレーシアでの学士号取得は世界中からの留学生に人気です。
大学進学準備コース|ファウンデーション/プリユニバーシティ
マレーシアでは、正式に大学に進学する前の準備期間として履修する約1年間の「大学基礎課程」にあたるコースがあり、ファンデーションまたはプリユニバーシティと呼ばれています。
ファウンデーションコースはイギリスの教育制度の名残で、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドの大学にある制度。
日本の高校を卒業した場合は、ファウンデーションコースを通る必要はなく、大学に直接進学可能ですが、英語力や学力のギャップを埋めたい場合にはファウンデーションコースを受ける場合もあります。
大学進学英語コース(Intensive English)
マレーシアの大学には、大学で勉強するための英語力に満たない学生のために、英語力を向上させるための専門的な語学コースが設けられています。
大学の専門課程に条件付き合格した人が履修するコースで、英語力はもう一歩だけど、入学資格を持っている日本人が多くいるコースでもあります。
尚、ここで履修した内容は大学の単位にはカウントされません。
ディプロマ|Diploma
マレーシアのディプロマは、主に専門的な知識やスキルを身に着けるための2年間のプログラムで、日本の「短大卒業」に相当します。
ディプロマプログラムは、英語力や学力に自信がない学生、または学士課程の合格基準に満たない学生にも適しています。ディプロマを取得後、関連する分野の学士課程の2年目に編入することもできるため、バチェラーの合格要件に満たない人はまずディプロマから始める選択肢もあります。
その場合のトータルの学習期間は4年間です。
ディプロマプログラムには3~4ヶ月相当のインターンシップも含まれており、修了後には就職活動にも有利なのも特徴の1つです。
また、ディプロマの半分ほどの期間で専門的な内容を学ぶプログラムで、卒業するとサティフィケートがもらえるコースもあります。
修士号(Master’s Degree)と博士号(PhD)
マレーシアの大学院プログラムは、日本の大学院に相当し、1.5年から2年間のコースが一般的です。
マレーシアでの修士号取得は、平均収入が学士号取得者に比べて約1.5倍高くなるため、非常に魅力的。また、日本の大学を卒業したけど、英語力と専門性を伸ばしたい方にも人気のコースです。
修士号の次は、研究者向けの3~4年で博士号が取れるコースがあり、その点は日本の制度と変わらないでしょう。
マレーシア大学のユニークなプログラム
マレーシアで取得できる学位に関して紹介してきましたが、多くの方は大学進学を考えているのではないでしょうか。
マレーシアの場合は、マレーシア国内の大学だけでなく、欧米大学の分校があったりと、非常に多様なプログラムが存在します。
ここでは、マレーシアの大学だからできるユニークなプログラムを紹介します。
デュアルディグリープログラム
デュアルディグリープログラムは、卒業時にマレーシアの大学と提携している欧米の大学の両方の学位を取得できるプログラムです。
マレーシアにいながら、欧米圏の大学の学位も取得できるということで、欧米での就職を考えている方にも人気です。
マレーシアで3年間学んで取得できるケースもあれば、半分の1.5年は本国の大学で学ぶ必要があるケースもありますが、3年で2つの学位、しかも1つは欧米大学の学位を取得できるというのは大きな魅力の1つだと言えます。
ツイニングプログラム
マレーシアの大学が提供するツイニングプログラムは、学生が初めの1~3年間はマレーシアの大学で学び、その後、提携しているイギリスやオーストラリアなどの海外大学に編入し、最終的にはその海外の大学で卒業するというプログラムです。
ツイニングプログラムは通常、「マレーシアでの履修年数+提携校での履修年数」という表現方法を用いることが多く、「2+1」「1+2」「3+0」のように表示されます。
「2+1」であればマレーシアで2年と提携大学で1年、「3+0」であれば3年間全てマレーシアで履修できるということです。
特にこのプログラムは、最終的にイギリスやオーストラリアの大学に進学し、そこで卒業したいと考えている学生には非常に魅力的。マレーシアでの学費は比較的低いため、初めの1~2年間はコストを抑えつつ基礎教育をしっかりと身につけることができます。
大学編入プログラム(クレジットトランスファー)
マレーシアの大学が提供する大学編入プログラム(クレジットトランスファー)は、学生がマレーシアの大学から欧米の大学に編入するための柔軟な教育プログラム。
このプログラムを利用することで、マレーシアの大学で学んだ科目や成績が欧米の大学でも認められ、スムーズに編入することが可能となります。
ツイニングやデュアルディグリーとの違いは、ツイニングやデュアルディグリーの場合は提携してある大学のみが選択肢になりますが、大学編入プログラムの場合は、編入ができる大学に選択肢が大きく広がること。
特に、アメリカ留学の場合はコミュニティカレッジを卒業した後に、大学に進学して学位を取得するのが人気ですが、それをアメリカではなく、学費も生活費も安いマレーシアで行うことができるわけです。
インターキャンパスプログラム
インターキャンパスプログラムは、欧米の大学がマレーシアにキャンパスを設置し、現地で教育を提供するプログラムです。
マレーシアの学生は、このプログラムを通じて、国際的な教育カリキュラムをマレーシア国内で受けることができます。また、欧米の大学から派遣された教授陣から直接指導を受けることができ、質の高い教育を受けることが可能です。
このプログラムを利用することで、学生は国際的な視野を広げ、異文化に触れる貴重な経験をすることができます。
マレーシアの大学の選び方
勉強したい学問を絞る
大学選びの第一歩は、自分が学びたい学問を明確にすることです。マレーシアには多様な学問を提供する大学が数多くあります。しかし、全ての大学が自分の求める学問を得意としているわけではありません。
自分が熱意を持って学びたい分野を見つけ、それに特化した大学を探す必要があります。また、学問だけでなく、その学問を学ぶ上での環境や設備、教員の質なども考慮する必要があります。
海外大学との提携を確認する
大学が他の国の大学とどれだけ提携しているかも大学選びの重要なポイントです。提携大学が多ければ多いほど、学生は異文化を学ぶチャンスに恵まれます。
海外の提携大学との交換留学プログラムなどを通じて、国際的な視野を広げることができるのです。
立地や環境を確認する
大学の立地条件も見逃せません。都市部に位置する大学は、インターンシップの機会やビジネスとの繋がりが豊富ですが、生活費が高くなる可能性もあります。
一方で、郊外にある大学は静かな環境で集中して学ぶことができますが、交通の便が悪い場合もあるので注意が必要です。
マレーシアの大学留学は相談を
当記事では、マレーシアの大学留学に関する情報を網羅的に解説しましたが、いかがでしたか?
マレーシアの大学に進学することは、国際語の英語を学べる上に、多民族国家でグローバル感覚を養える大きなチャンスになるでしょう。また、欧米の学位も取得できる上に、欧米よりも圧倒的に安価なのも大きなメリットです。
ホライズンマレーシアでは、大学留学に関する相談にも乗っておりますので、興味のある方はぜひ、コンタクトフォームよりご連絡をいただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。