マレーシアの大学に日本人が進学する完全ガイド

For Japanese Students

高校生・大学生・社会人それぞれの進学ルート、
必要な英語スコア、出願スケジュール、就活への影響、家族のサポートまで——
日本人ならではの観点でマレーシア大学進学の全プロセスを解説します。

「日本の高校から、本当にマレーシアの大学に行けるの?」「日本人留学生はどれくらいいる?」「卒業後の就職はどうなる?」——日本人がマレーシア大学進学を検討するときに直面する、固有の疑問を持つ方は多いはずです。

マレーシア大学進学は欧米留学に比べて情報が少なく、「日本人としての視点でどう進めるか」のガイドが特に求められています。本記事では、日本人留学生の実情から、進学ルート、英語要件、出願プロセス、就活への影響、家族との関わり方まで、現地で取材した最新情報をもとに完全解説します。

📌 この記事でわかること

  • マレーシアにいる日本人留学生の実情(人数・大学・特徴)
  • 高校生・大学生・社会人別の進学ルート
  • 必要な英語スコア(IELTS / TOEFL)
  • 出願から渡航までのスケジュール
  • 日本人ならではの強みと注意点
  • 卒業後の進路:日本就職 vs グローバル就職
  • 家族のサポートとMM2Hプログラム

マレーシアの日本人留学生の実情

まず、マレーシアに進学している日本人留学生の現状を理解しておきましょう。これが進学イメージを掴む第一歩です。

日本人留学生の数

マレーシア全土の高等教育機関に在籍する日本人留学生は、おおよそ1,000〜2,000人と推定されています。欧米(米国:約2万人、英国:1.2万人、豪州:1.5万人)と比べると圧倒的に少なく、留学先としてはまだニッチな存在です。

どの大学に多いか

日本人留学生が多いのは以下の傾向です。

  • マラヤ大学(UM):交換留学生中心。早稲田・九州・法政・明治などからの交換留学生が多い
  • Monash University Malaysia:正規留学(学位取得)を目的とした日本人が増加中
  • Taylor’s / Sunway / APU:実践志向の日本人学生に人気
  • Xiamen University Malaysia:英語+中国語を学びたい日本人に注目されている

💡 日本人が少ないことのメリット

「日本人同士でつるまない環境」が自動的に整います。欧米留学では日本人コミュニティが大きすぎて「日本人だけで群れる」現象がよく起きますが、マレーシアでは多国籍環境で英語を使わざるを得ない状況に置かれます。これは英語力向上には大きなプラスです。

日本人の進学ルート:3パターン

日本人がマレーシアの大学に進学する場合、入学時の状況によって主に3つのルートがあります。

01

ルートA:日本の高校 → Foundation → 学部

最も標準的なルート。日本の高校を卒業後、マレーシアでFoundationコース(1年)を経由して学部進学します。所要期間:Foundation 1年 + 学部3年 = 計4年。詳しくはマレーシアの大学のFoundationコースとはをご覧ください。

02

ルートB:日本の大学 → マレーシアの大学に編入

日本の大学を1〜2年通った後、マレーシアの大学に編入するルート。日本の大学で取得した単位の一部が認定される場合があり、3年次編入(学部+2年=計3〜4年で卒業)も可能。日本の大学に在籍中に英語力を整えて編入するパターンが現実的です。

03

ルートC:社会人 → 大学院(Master / MBA)

社会人として日本で経験を積んだ後、マレーシアで大学院(Master)やMBAを取得するルート。修了期間1〜2年、費用は欧米MBAの半額以下。Monash MBA、Taylor’s MBA、Asia School of Businessなどが人気です。キャリアチェンジを目指す30代に増えています。

必要な英語スコア

マレーシアの大学進学には英語スコアが必要です。大学・学部による違いを整理します。

進学先IELTSTOEFL iBT
Foundationコース入学5.0〜5.561〜70
学部直接入学(私立)5.5〜6.071〜79
学部直接入学(Monash等トップ私立)6.0〜6.579〜90
学部直接入学(マラヤ大学等国立)6.0〜6.579〜90
大学院・MBA6.0〜7.079〜100

💡 英語スコアが足りない場合の対処法

多くの大学が併設の語学コース(Pre-Sessional / Intensive English Programme)を持っており、目標スコアに到達してから本科に進む段階的ルートがあります。3〜6ヶ月の集中コースで足りないスコアを補えます。詳しくは語学学校トップページもご覧ください。

出願から渡航までのスケジュール

日本の高校を卒業して翌年9月入学を目指す場合の標準的なスケジュールを整理します。

時期やること
高2の冬〜高3の春留学先の情報収集、大学・専攻の候補絞り込み
高3の夏(6〜8月)IELTSやTOEFL受験、スコア取得
高3の秋(9〜11月)出願書類準備、Foundation/学部への出願
高3の冬(12〜2月)合否通知、入学許可(Offer Letter)取得
高3の春(3〜5月)EMGSへのビザ申請開始
卒業直後(4〜6月)VAL取得、SEV申請、渡航準備
7〜8月マレーシア渡航、健康診断、Student Pass取得
9月大学・Foundationコース入学

マレーシアの大学は1月入学・5月入学・9月入学の3回入学タイミングがあるのが一般的(大学による)。9月にこだわらず、英語スコアの準備状況に合わせて入学時期を選べる柔軟性があります。

ビザ手続きの詳細はマレーシア留学のビザ申請完全ガイドもご参照ください。

日本人ならではの強みと注意点

日本人としてマレーシアの大学に進学することには、独特の強みと注意点があります。

💪 強み1:漢字圏出身者として中国語学習が速い

マレーシアでは華人コミュニティで中国語が使われますが、日本人は漢字に親しんでいるため、中国語の習得スピードが速い傾向があります。英語と中国語を同時に学ぶ戦略が現実的に取れるのは、日本人の強みです。

💪 強み2:勤勉さと礼儀正しさが評価される

マレーシアの大学では、日本人学生の勤勉さ、時間厳守、礼儀正しさが教員から高く評価されることが多いです。グループワークでも日本人の協調性とリーダーシップは存在感を発揮します。

💪 強み3:日本ブランドとネットワーク

マレーシアは親日国として知られており、「日本人だから」というだけで好意的に受け入れられる場面が多くあります。日系企業のマレーシア拠点でのインターンシップ機会も豊富で、就活時の強みになります。

⚠️ 注意点1:日本人コミュニティが小さい

欧米留学と違い、相談できる日本人の先輩・友人は限定的。孤独感を感じる時期があるかもしれません。一方で、日本人同士でつるんで英語が伸びないリスクは低いです。事前にメンタル面の準備をしておくことが大切です。

⚠️ 注意点2:自己主張の文化的ギャップ

マレーシアの大学はディスカッションとプレゼンが多く、「黙っている=理解していない」と判断される傾向。日本の控えめな文化のままだと評価されにくい場面があります。発言する勇気を養うことが大切です。

⚠️ 注意点3:日本食・日用品の入手は工夫が必要

日系スーパー(Isetan、Donki、Family Mart)はありますが、品揃えと価格は日本ほど豊富ではありません。調味料・日用品の一部は日本から持参する方が経済的なケースも。生活の細かい工夫が必要です。

卒業後の進路:日本就職 vs グローバル就職

マレーシア大学卒業後の進路は、大きく3つのパターンに分かれます。

パターン1:日本に帰国して就職

グローバル日系・外資系・新興企業が中心

日本に帰国してグローバル日系企業、外資系企業、スタートアップに就職するルート。マレーシアでの英語学位と多国籍環境での経験は、グローバル人材を求める企業から高く評価されます。ボストンキャリアフォーラム、東京サマーキャリアフォーラムなどの海外大学生向け就職イベントが現実的な就活ルートです。

注意:日本の伝統的な大企業(日系メーカー、銀行、商社)では、海外大学卒の評価は「企業による」幅があります。志望業界次第で戦略を変える必要があります。

パターン2:マレーシア・ASEAN圏で現地就職

グローバルキャリアの第3の選択肢

マレーシアで就職活動を行い、現地企業や日系企業のマレーシア・シンガポール拠点で働くルート。英語+α(中国語含む)のスキルを持つ人材として高く評価されます。日本の新卒給与より低い場合もありますが、生活費が安いので実質的な可処分所得は変わらないか、それ以上のケースも多いです。

パターン3:欧米本校への編入 or 大学院進学

学位アップグレードのキャリアパス

Monashマレーシア卒業後にMonashオーストラリア本校で大学院、Nottinghamマレーシア卒業後に英国本校で大学院など。マレーシアで本科を安く済ませ、本校で大学院を取得するハイブリッド戦略です。最終学位は本校発行で、総費用は本校4年通学より圧倒的に安く済みます。

家族のサポートとMM2Hプログラム

日本人留学生の特徴として、家族(特に親)のサポート意欲が高いことが挙げられます。マレーシアではこれを支える制度も整っています。

💡 MM2H(Malaysia My Second Home)プログラム

マレーシアが提供する長期滞在ビザプログラムで、退職者や富裕層向けの設計ですが、子どもの留学に合わせて親が同行・居住するケースもあります。要件は経済証明(預金額、月収)で、条件を満たせば10年単位での滞在が可能。教育移住の選択肢として広く知られています。

💡 親子留学のメリット

特に中高生からのマレーシア進学では、親(特に母親)が同行する親子留学のスタイルが現実的。子どもがインターナショナルスクール+大学Foundation→学部、親はマレーシアで生活・リモートワーク・MM2Hというパッケージが組めます。サマーキャンプから始めて、教育移住へ発展させるご家庭も増えています。

日本人がマレーシア進学で成功するための5つのポイント

01

英語スコアを早めに取得する

IELTSやTOEFLは高2の夏までに目標スコアに到達するのが理想。スコアが足りないと出願先の選択肢が狭まります。英語学習は短期で結果が出にくいので、早期準備が成功の鍵です。

02

専攻を真剣に選ぶ

マレーシアの大学はFoundationの段階で専攻方向を決める必要があります。日本の大学のように「入ってから考える」は基本不可。高校生の段階で進路を真剣に検討し、Foundation分野を選びましょう。

03

日本人ネットワークを過度に頼らない

日本人留学生は少ない方ですが、それでもクアラルンプール内ではコミュニティがあります。日本人だけで群れず、多国籍の友人を意識的に作ることが、英語力と国際感覚の獲得に直結します。

04

就活戦略を3年次から準備する

日本企業の新卒採用は4年次に集中する一方、海外大学生の採用イベントは3年次秋以降から動き出します。卒業まで放置せず、3年次から積極的にボストンキャリアフォーラム、オンライン面接、インターンシップに参加しましょう。

05

家族と定期的にコミュニケーション

日本との時差はわずか1時間で、LINE・ZOOMで気軽に連絡可能。週1回のビデオ通話などルーティーン化することで、家族のサポートを得つつ、自分も安心して留学生活を送れます。年1〜2回の帰国も航空券6〜12万円で実現可能です。

よくある質問

Q. 日本の高校を卒業したばかりで大丈夫ですか?

はい、多くの日本人学生が高校卒業後すぐにFoundationコースに入学しています。マレーシアの大学はFoundationを経由する仕組みなので、日本の高校卒業時のレベルから無理なくスタートできます。

Q. 英語が話せないと無理ですか?

完全な初心者は厳しいですが、IELTS 4.5〜5.0レベルから語学コース → Foundation → 学部の段階的ルートで対応可能。1年以上の準備期間があれば、英語ゼロからでも進学を目指せます。

Q. 日本の大学を中退してマレーシアに進学できますか?

可能です。日本の大学で取得した単位の一部が認定される場合もあり、編入や3年次入学を狙えるケースもあります。ただし大学・専攻によって柔軟性は異なるので、個別相談が重要です。

Q. 親が同行する場合のビザはどうなりますか?

未成年留学生の場合、Guardian Pass(保護者ビザ)で親が同行可能。成人後は親は独立してMM2H等のビザを取得する必要があります。マレーシアは家族滞在に比較的寛容な国です。

Q. 日本の留学生に対する偏見やいじめはありますか?

マレーシアは多民族・多文化の共存に慣れた社会で、日本人に対する偏見はほぼ存在しません。むしろ親日的な雰囲気の中で受け入れられます。アジア人として「外国人感」が少ない国でもあります。

Q. 帰国後の就職活動はどう進めますか?

主なルートは(1)ボストンキャリアフォーラム等の海外大学生向けイベント、(2)オンライン面接でグローバル日系企業に応募、(3)マレーシア在住の日系エージェントを利用、(4)夏休みに日本一時帰国してインターンシップ。3年次から計画的に動くのが成功の鍵です。

まとめ:日本人がマレーシア進学を選ぶ意義

日本人がマレーシアの大学に進学することは、欧米留学とは全く異なる戦略的選択です。「英語学位 + 国際経験 + コストパフォーマンス」の三位一体を実現でき、さらに英語+中国語のトリリンガル戦略も組み込めます。

✓ マレーシア進学が向いている日本人

  • グローバルキャリアを目指す高校生・大学生
  • 欧米留学の費用が現実的でないが、英語学位は欲しい方
  • 英語+中国語のトリリンガル人材を目指す方
  • 多国籍環境で実践的な英語力を身につけたい方
  • 親子留学・教育移住を視野に入れているご家族
  • キャリアチェンジを目指す社会人(MBA・大学院)

日本人として、マレーシアでどう自分の強みを活かし、どんなキャリアを描くか——これは入学前から戦略的に考えるべきテーマです。Horizon Malaysiaでは、日本人留学生の実情を踏まえた進路設計を一貫してサポートします。

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